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愛媛大学農学部3回生  かつおぶし削り体験レポート

更新日:3月1日


愛媛県松山市の愛媛大学農学部様で、2024年1月に大学3年生を対象に「かつお節削り体験を通して自分の食生活を振り返る」授業を行いました。その中で、かつおぶし削り体験、飲み比べ体験を実施し、子どもの頃から今までの自分の食生活を振り返り、将来の食生活のあり方について考えました。

 


 

 










授業に合わせてテキストを何度も見直し、かつおぶしに対する理解を深めていきました。












 

いよいよ、削り体験に挑戦です。全員が初めての経験でしたが、多くの学生がすぐにコツをつかんで削っていました。5,6人のグループごとに削り体験をしましたが、協力しあって、やり方を身に付けていきました。

多くの学生が味見もしていました。

 









 














やかんにお湯を沸かして飲み比べ体験をしました。大学院生の方がいろいろと手伝ってくれました。味の違いがはっきりと分かったようです。



【学生の感想➀】

だしについて、まずおもしろいと思うのは、日本の家庭ごとで採用しているだしの種類は異なり、組み合わせが様々であることだ。 「だし」の味は、その土地ごとに受け継がれてきたおいしさ。日本には、だしを活用し素材独自の風

味を生かしたシンプルな味わいの郷土料理がたくさんある。だしは、その土地ならではの食文化を支えている。

鰹節といっても、その中でまたかつおの種類がたくさんあり、それぞれ使用用途が異なり、料理によって使い分けがされている。煮ることによって食材から出るうまみを一つも無駄にしないことも素晴らしいと思う。また、こんぶのうま味成分である「グルタミン酸」と、かつお節のうま味成分である「イノシン酸」、しいたけのうま味成分である「グアニル酸」が共存すると、うまみがとても強まるといううまみの相乗効果も知られており、減塩料理への活用、減塩料理に旨味の相乗効果を取り入れると、満足感が高まり食べ物の量によって人が感じる物足りなさを解消できる。

減塩の場合、塩味を減らすため物足りなさを感じてしまいますが、旨味で補うことで解消できる。だしは思ったよりも奥が深いのだとわかる。メリットばかりのだしだが、今の若い人は食への意識が低くなりがちで、料理に質を軽視しがちである。赤ちゃんの頃にインパクトの強い味ばかりを経験してしまうとその後ごはんやだしを美味しいと感じられる味覚が育たない。幼い頃のだしの体験は味覚の基本となりだしのすごさは日本人なら誰もが知っておくべきことだと感じるので、小さなころから食べておくことは将来の自分の日本人としての食を楽しむ上で大事な要素だと思う。和食はバリエーション豊富で視覚的にも美しいが、だしは目に見えないところで、その魅力を支える要素として日本食において重要な役割を果たしている。だしが他と異なるのは、ブイヨンのようにシンプルな材料を長時間煮込むのではなく、時間をかけて熟成させた材料を厳選して使い、水に浸すだけ、または、短時間火にかけるだけで、素材が持つ風味のエッセンスそのものを抽出できるポイントは、日常生活での料理になじんでいる大きな理由だと感じる。ベースとなるうまみをしっかりと出すことで、具材の素材の味をもっと生かすことができる。さらに、淡白なイメージのある日本食に必要不可欠であり、象徴の1つだと思う。今回の体験でも、鰹節ありとなしでは普通の味噌汁の味が大きく変わっていて、だしのすごさを再確認した。今の自分はだしがないと汁物を美味しく感じなくなっていると実感した。これからもだしの文化を大切にしていこうと思う。

 

【学生の感想②】

私は和食やだしは小さい時から食べることが重要であると考える。理由としては味付けの濃いものばかり食べることで大人になって食事をするさいに薄い味(いわば、だしなど)に対応できずに健康に悪影響をもたらすからである。今回の講義でも話されたように、味の常習化は非常に現代の私たちには響く言葉であると感じた。だしは和食には欠かせないものであり、料理を引き出すための役割を持っている良いものであると考える。私自身様々な料理を食べることがあったり、はたまた料理番組で見ることが多い。ひとえにだしといっても多くの種類がると考える。例えばラーメンのスープや西洋料理でよく聞くブイヨンなどがある。これらは長時間煮込むことが大半であるといえる。しかしながら、だしは時間をかけて熟成させた材料を厳選して使い、水に浸す。もしくは、短時間火にかけるだけで、素材が持つ風味のエッセンスそのものを抽出するという点も魅力的であり、非常に興味深いと感じた。だしには昆布とかつお節を組み合わせて使うことが多く、だし作りに使われる材料には、他にもあることに驚きを感じた。

さらに、だし作りは長い年月を経ており、煮るという調理法は日本では縄文時代(紀元前13000年~300年頃)から利用されており、ある意味では世界のどの国よりも古くから行っているのではないかと考えた。今回はかつお節だけではあったが、基本的には昆布と合わせてだしを取ることが多いとされている。だしには料理に入っている食材の風味を引き出すことが目的とされていることがある。実際に味噌だけの汁とかつお節を後で入れた時の違いが明らかであり、風味や味覚も深くなっていったことが分かった。かつお節にはうま味成分のイノシン酸が多く含まれており、昆布のうま味成分であるグルタミン酸と合わせることで増大することも同時に学び、「だし」に対する考え方が一歩深まっていったと感じた。以上のことから私は今回の授業を通して日本の和食を支えている「だし」の魅力を学んだと同時にかつお節を実際に専用の機械を用いて削るという貴重な体験をすることで魅力を感じることが出来た。今後の生活においてもその魅力を持ち続け、「だし」という日本の文化をさらに知っていく思いを大事にしていきたいと感じた。多種多様な料理がある中でも最初に述べたように味の常習化という言葉があるように味の濃いものだけではなく「だし」といった薄い味も必要であることの再認識も学んだ。



【愛媛大学 農学部・大学院農学研究科様公式サイト





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